仮面うつ病
うつ病の症状
「うつ病」の主な症状は「抑うつ(よくうつ)」である。ただ、「仮面うつ病」といって、抑うつの症状を訴えないで、身体症状が前面にでていて、他の病気とまぎらわしいものがある。それが「仮面うつ病」である。
子どもは、「抑うつ感」を言葉で表現できないことがあって、身体症状ばかりを言うことがある。そうすると、「うつ病」であることが見のがされて、内科の障害の治療だけをしても治らないことになる。長引くと、学業に影響するから、苦悩が大きくなって、重篤な状況になるおそれもある。身体の病気に見えるが、実は「うつ病」にほかならない「仮面うつ病」を発見することが重要である。
身体症状
身体症状としては、自律神経系の障害により、様々な症状があらわれる。
- 睡眠障害。寝付きが悪い、朝早くめがさめる、眠りが浅い、など。
- 食欲低下、性欲の低下という生命活動に関する欲望の低下。
- 身体がだるい、下痢、便秘、胃腸系の障害。
- 腹痛、頭痛、筋肉痛、四肢痛などの痛み。
- 肩こり、しびれ、めまい、動悸、発汗、口のかわき、胸やけ、息苦しさ、胸の圧迫感、熱感、目のつかれ、食べ物の味がしない、頻尿など多彩な症状。
これらの症状は、一日のうちで変動があり、特に朝から午前中に調子の悪い人が多い。
態度・行動の変化
このような症状のために、行動の変化が見られる。
- 外出したくない、人に会いたくない。ボーッと閉じこもって何もしない、出社しない、登校しない。
- 楽しめていたことが楽しめず好きな事をしない。
- 非行に走る、人づきあいが悪くなるなどの行動の変化。
- まじめでがんばりやの生徒の成績が急に下がる、まじめでよく働いていた人の仕事の能率がおちてくる。
- 自殺行動。自傷行動。
仮面うつ病
うつ病には、精神症状のほかに、身体症状や態度・行動の異常が、上記のように指摘されている。ただ、個人差がある。
精神症状が前面に出ていないで、上記のような身体症状が強く自覚されているが、それば、内科の病気ではなくて、実は「うつ病」であるというのが「仮面うつ病」である。自律神経失調症と診断されて、その治療を続けても、長引く場合も仮面うつ病が疑われる。
子どもが、内科的な身体症状を訴えて学校を休みがちな場合にも、仮面うつ病の可能性がある。子どもは、「抑うつ感」を言葉でよく表現できないであろう。そうすると、身体症状なら言いいやすいであろう。たとえば、頭痛、腹痛を言う。その治療だけをしていては、「うつ病」であることが見のがされて、完全には、治らないことになる。長引くと、学業に影響するから、苦悩が大きくなって、「うつ病」が重篤な状況になるおそれもある。自殺も起こり得る。また、うつ病から起こる症状、イライラ感、抑うつ感をまぎらそうとして、リストカット、非行などの問題行動を起こしているかもしれない。
仮面うつ病は、大人でもある。うつ病について知らない人が多いから、自分でも身体の症状だけを医者に訴えるから、医者は、内科の病気の治療薬だけを処方することになる。それでは、うつ病は完治しにくい。また、うつ病の症状だということを知らずに、症状をまぎらそうとして、アルコール、薬物、種々の依存症、仕事の放棄、などの行動にあらわれることもあるだろう。もちろん、重くなると、これらの依存とうつ病の重複した問題から、自殺の危険がある。
このように、内科の病気や子どもの非行、問題行動に見えるが、実は「うつ病」にほかならない「仮面うつ病」がひそんでいることを発見することが重要である。