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アメリカの新しい心理療法(マインドフルネス心理療法)目次
『マインドフルネス&アクセプタンス』
=アメリカの新しい認知行動療法=アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACP)、マインドフルネス認知療法(MBCT)
アメリカの認知行動療法は発展しています。日本では、原初的な認知療法さえも、導入が遅れていますが、アメリカでは、認知行動療法が、さらに発展して、うつ病や他の心の病気の治療や予防に、貢献しています。
アメリカの最先端の認知行動療法を紹介する本の翻訳が出版されました。
「マインドフルネス&アクセプタンス
ー認知行動療法の新次元ー」
編著=S.C.ヘイズ、V.M.フォレット、M.M.リネハン
監修=春木豊 監訳=武藤崇、伊藤義徳、杉浦義典
ブレーン出版、2005/9/10、3800円+税
この本は、アメリカの心理療法者(新しい認知行動療法の)たちが、自分で行っている新しい認知行動療法を章ごとに執筆しています。2002年に、ネバダ州ネロにおいてコンファレンスが開催されて、研究者、臨床家が集まって、自分のモデルを明確にし、他のモデルとの異同を検討した。そして、コンファレンス終了後によせられた疑問や意見に対して応答する形で執筆されたのが本書である。(「はじめに」から要約)
アメリカの認知行動療法は進化しており、第1世代が、行動療法で、第2世代が、認知療法で、その後、従来の認知行動療法に従来にはなかった新しい手法が加えられて、第3世代にはいったと称される。
本書には、第3世代の認知行動療法が紹介されています。
本書の各章は、次のとおりであり、それぞれ、別々の人によって執筆されている。
(目次)
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第1章 アクセプタンス・コミットメント・セラピーと新しい行動療法(10/16/2005)
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第2章 弁証法的行動療法(10/17/2005)
- 第3章 マインドフルネス認知療法
- 第4章 アクセプタンス、マインドフルネスと認知行動療法
- 第5章 機能分析的心理療法と認知療法、そしてアクセプタンス
- 第6章 アクセプタンス・コミットメント・セラピーにおける価値に関連する作業
- 第7章 行動活性化における行為の発見
- 第8章 カップルにおけるマインドフルネス、アクセプタンス、正当性を認めること、「個人的」精神病理
- 第9章 アクセプタンス、マインドフルネス、そしてトラウマ
- 第10章 全般性不安障害
- 第11章 摂食障害の治療におけるアクセプタンスと変化
- 第12章 アルコール/薬物使用障害の治療法としてのヴィパッサナー瞑想
- 第13章 カップルセラピーにおけるアクセプタンス、マインドフルネスとその変容
本書は、アクセプタンス、コミットメント、マインドフルネスについての詳細な説明もなく、そのようなことは、当然、承知している人たちが読むものと想定されているような専門家向けの書物です。
このマインドフルネス、アクセプタンスをおりこんだ心理療法は、私どもの推進している「自己洞察瞑想療法」と類似します。
認知行動療法をご存知ない方が、この本を読んでも理解しにくいと思います。鍵は、アクセプタンスとマインドフルネスです。この実際が、どのようなことなのか実演を見たことがない人は、この本の言葉を理解しにくいと思います。3つのキーワードだけ、わかるような説明を抜きだしてみます。
- アクセプタンス=与えられているもの(感情、思考、症状、身体感覚など)、「今、ここ」で経験しているものを、判断を介さず受け取ること。(36頁)
- コミットメント=具体的なホームワークや行動的エクササイズを使って、価値の沿った(障害からの回復に)効果のある行動をする。
- マインドフルネス=「マインドフルネスの状態とは「ある特定の仕方で注意を払うこと、つまり、目的にそって、当該時点において、無評価的に注意を払うこと」を含むものである」(186頁)
「アクセプタンスを行うためには、当然、注意を向け続けること、判断を避ける(あるいは素早くそれを解き放つ)こと、さらに覚醒の程度に気を配ることなどに対して、マインドフルネスに関わる必要がある。」(249頁)
アメリカの最先端の心理療法は、上記の3つがキーワードとなっています。
アクセプタンスとマインドフルネスの理念などが、この本で紹介されていますが、その実際の技法はごく簡単に触れています。だから、アクセプタンスの実際、マインドフルネスの実際を見たことのない人には、この本は理解しにくいでしょう。日本の坐禅に似ていますので、現実の自分の苦の解決段階の坐禅を相当に実践された方は、理解しやすいと思います。
この本だけでは、アクセプタンスの実際、マインドフルネスの実際を使ってカウンセリングはできません。その手法を駆使できる療法者を招聘するか、日本人がアメリカに行って、実際を指導してもらう必要があります。その習得には、1〜2年かかるでしょう。そして、その人が、実際にカウンセリングを行いつつ、他のカウンセラーにも、それを指導する。こうして、日本に、アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACP)やマインドフルネス認知療法(MBCT)が広く行われるようになるのは、10年かかるでしょう。
ただし、自己洞察瞑想療法(SIMT)には、アクセプタンスとマインドフルネスが含まれています。禅のてつがくと実践の応用だからです。弁証法的行動療法が禅を応用したのですから当然ですが。
アメリカでは、これらの心理療法の「臨床試験」もすすめられて効果が確認されていっていますので、今後の心理療法は、世界的に、この流れに沿って動くことは確実と思われます。翻訳であるために、理解がむつかしい面がありますが、購入してゆっくりと読んで、少しづつご理解していだくといいでしょう。