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アメリカの新しい心理療法(マインドフルネス心理療法)目次
マインドフルネスとは
アメリカでは、行動療法が第3世代にはいったといわれるが、そこには、瞑想が用いられるのが、特徴である。その瞑想は、マインドフルネスとアクセプタンスの要素がある。これらは、思想や理論ではなくて、心理的な「実践能力」や「行為への実現能力」である。
「マインドフルネス」は、重要な実践であるので、詳細をみておく。
「マインドフルネスに関する定義や記述には、一般的に、気づきと注意、今ここへの注目、知覚しうる刺激一つひとつに対する感受性、自分と外的世界とのつながりに対する気づき、そして現在経験している「マインドレス」な強迫観念からの逃避衝動がないことなどの要素が含まれる。」(254頁)
Linehan(1993)は、マインドフルネス・スキルは、相互に関連する二つの集合から構成されるという。「何を(what)スキル」と「どのように(how)スキル」である。(254頁)
- 「何をスキル」=マインドフルになるために、何をするか
-
「どのようにスキル」=そうした行動に、どの様に関わるか
「何をスキル」
「何をスキル」は、次のスキルである。(254頁)
- (1)(個人の内外に)現在あるものを観察したり、それらに思いを致すこと、あるいはそれらに気づくこと。
- (2)まさに今観察したことを、適切な言葉を用いて表現すること
- (3)自己意識的な精神活動をやめ、行うべき行動(感じること、考えること、気づくこと、振る舞うこと)に十分に関わること、つまり、余計な言語化(例えば、言い訳、判断、評価)から解き放たれること、を含んでいる。これは、そうした活動(観察すること、叙述すること、関わること)のうち、人が一度に行えることは一つしかないという考え方に基づいている。
「どのようにスキル」
「どのようにスキル」は、次のスキルである。(254頁)
- (1)無評価的になること、あるいは
正しいー誤り、
すべきーすべきでない、
良いー悪い
といった判断を行わないこと
- (2)その瞬間の中で、注意を集中させる対象は一つだけとすること、
- (3)個人の価値や人生の目的と一致する行動や活動にエネルギーを注ぐこと
治療者は、来談者(相談にくる人、患者)に、坐禅に似たような実践をしてもらいながら、多くの説明を加えて、こういうことが実現できるように指導するので、よく、禅寺でみられる「坐禅」とは異なっている。同じくらいの時間をかけて、坐っている、あるいは、日常生活の中で注意している(禅では「動中の工夫」というが、内容が異なるわけである)のに、大きな違いが生じる。
このようなことが実際にできるようになると、心の病気は治癒し、他者を攻撃・差別・苦悩させる行為や非行・犯罪をしなくなる。そういう段階に至っていない人が実行できると、そういう苦悩、非行などに陥る予防になる。
自分のことや、他人のこと、などで、みだりに、感情にふりまわされて、回避、強迫、依存、他者攻撃等の行為に出て、自分や他者を苦しめることなく、自分の本分をはたしていく。
こういうスキルを身につけるためには、ヴィパッサナー瞑想や坐禅に似た心の訓練(「自己洞察法」)を繰り返し実践する。アメリカでは、こういう坐禅に似た、心のスキルが、認知行動療法にとりいれられて、心の病気の治療や非行・犯罪の更生に、すばらしい効果をあげている。
「マインドフルネス&アクセプタンス
ー認知行動療法の新次元ー」
編著=S.C.ヘイズ、V.M.フォレット、M.M.リネハン
監修=春木豊 監訳=武藤崇、伊藤義徳、杉浦義典
ブレーン出版、2005/9/10、3800円+税