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うつ病の治療法が確立されている


 厚生労働省の自殺防止対策有識者懇談会報告「自殺予防に向けての提言」によれば、「死にたい」という人を救う方策は存在している。
    第3節 なぜ、自殺予防対策を実施するのか
    自殺は、本人にとってこの上ない悲劇であるだけでなく、家族や周囲の者に計り知れない大きな悲しみや困難をもたらすものである。また、社会全体にとっても大きな損失となる。したがって、効果的な予防対策を実施することは緊急の課題である。

     精神科医の臨床経験によると、「自殺したい」と訴える人は、「死にたい」と言いながらも「生きたい」という気持ちとの間を非常に激しく揺れ動いており、深い苦しみや不安を抱えている。また、うつ病を発症して、死にたい気持ちが出てきた人であっても、治療が効を奏し、死にたい気持ちが消えてしまうということが多い。このように、「死にたい」という人を救う方策は存在しており、これに基づき、自殺予防対策を行う必要がある。

     自殺は、周囲の者にもさまざまな影響を与える。特に、子どもの自殺は、家族や友人に長期間にわたる精神的な影響を与え続け、また、親の自殺は、子どもの心に大きな傷や自責感を残すことも多い。「あしなが育英会」で活動する自殺死亡者の遺児の一人が、「他の人に自分達と同じような苦しみはさせたくない。そういう思いから、自殺者を減らしたいという思いに駆り立てられて、ずっと自殺予防のための活動をやってきました。」と語ったように、家族や周囲の悲しみや苦しみは計り知れない。このような不幸な事態を防ぐ意味で、自殺予防対策の必要性は大きい。 (1)
 うつ病の治療法が確立されていて、一部の地域では、うつ病等の問題を持つ者への対策により自殺予防に一定の効果をあげている。  
     自殺の危険性(リスク)が高い人を早期に発見し、危機介入するという取組(ハイリスクアプローチ)により、目に見える効果が期待できると考えられる。自殺死亡者にうつ病を患っている者が多いこと、うつ病の治療法が確立されていること、一部の地域では、うつ病等の問題を持つ者への対策により自殺予防に一定の効果をあげていることから、こうした事例も参考にしつつ、早急にうつ病等への対策の充実に取り組むべきである。 (2)
(注)
  • (1)厚生労働省「自殺予防に向けての提言」(自殺防止対策有識者懇談会報告)平成14年12月、第1章第3節。
  • (2)同上、第2章第3節3。

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