カウンセラーの手法に自信がない
臨床心理士でさえも、自分のカウンセリングの力量に自信がない人が多い。カバーする精神障害が広いせいや心理療法にも種々あって、必ずしもうつ病に効果がある技法を学んでいないカウンセラーも多いであろう。力量に自信がないことが、うつ病、自殺念慮のカウンセリングを行う臨床心理士にあれば重大な問題である。特に、うつ病の患者が臨床心理士のカウンセリングを受けに来る場合、患者は、まず薬物療法を受けている事が多いはずである。すなわち、薬物療法で効を奏しなかった「難知性」、遷延化したうつ病患者が多いであろう。治すのがむつかしい事例をカウンセリングして、さらに長い期間、自信もなくカウンセリングしていると治せない、そのうち自殺されるおそれがある。
自分の力量に自信がもてない
先の調査では3)、自分の力量に不安を感じている人が53.9%もおり、しかもサポート体制や将来の見通しに不安を覚えている人が半数を超えているという。これはネガティなストレスというよりも、むしろ継続学習への動機づけとして評価したいところであるが、多くの心理臨床家は単独ではたらいており、困難な事例にかかわるほど、不安にとらわれて自信を失いがちになりやすいのも実情である。
3)日本臨床心理士会:日本臨床心理士会報、11(1),2002
(1)。
(注)
- (1)『ストレス診療ハンドブック』メディカル・サイエンス・インターナショナル、359頁。
自殺史上最多へ
カウンセラーの苦悩