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自殺しない、させない
発 病 の 仕 組 み
自 殺 し な い
身近な人を自殺させないために
発 病 の 仕 組 み
うつ病になるのは、持続的な精神的ストレスを受けることにより、脳の中の神経伝達物質のひとつ、セロトニンが欠乏するためというのが、有力な説である。
セロトニンは特に脳幹の縫線核に多い(注1)
そこで、「うつ病」だということがわかると、医者は、これを補う薬、「抗うつ薬」を与えて治療する。この病気は、手遅れ(自殺しないうちに)にならないうちに治療すれば、薬で完治することが多い。
「うつ病」にかかると自殺することがあるので、軽く考えてはいけない。
悩んだすえに、悩みを苦にして自殺した、というのではないのである。悩むうちに、「うつ病」になって、その病気が自殺させるのである。早いうちに治療すれば、自殺しないのですむこともある。家族や友人が悩んでいるような様子がみられる場合、手遅れにならないうちに、専門の病院にいかせる必要がある。
身体の病気や薬の副作用から
精神的ストレスだけがうつ病になる原因ではなく、身体の病気や薬の副作用からうつ病になることがある。このことも理解しておく必要がある。
身体の病気がうつを伴う
次の病気は、「うつ状態」を伴うことがあるという(H22)。このような病気がホルモンなどにも変調をきたして、脳内神経伝達物質に影響するためであろう。だから、このような病気になっていて、しばらくして「抑うつ感」がでてきたり、自殺願望がでてきたら、「抗うつ薬」の服用が必要かもしれない。このことを心得ておいて、医者に相談するべきである。
- 抑うつ状態をきたす疾患
- 内分泌疾患
甲状腺機能障害、 副腎皮質機能障害、 性腺機能障害
- 中枢神経疾患
パーキンソン病、 アルツハイマー病、 脳血管性痴呆、
慢性硬膜下血腫、 脳腫瘍、 多発性硬化症
- その他の病気
膠原病(特に全身性エリテマトーデス)、 膵臓がん、 膵炎、
- 薬の副作用で「うつ病」に
病気の治療にために、服用した薬が「うつ病」を起こすことがある(H22、H28)。すべての人が、この薬で「うつ」になるわけではなく、これは人によるから、このような薬を飲んでいるうちに、うつ状態になったら、すぐ医者に相談して、対策をとらないといけない。南禅寺の管長が自殺したのは、血圧降下剤を服用してうつ病になっていたからではないだろうか。
◆抑うつ状態をきたす薬物
- 1 ホルモン製剤
副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)、黄体卵胞混合ホルモン(いわゆるピル製剤)
- 2 血圧降下剤
レセルピン、 βブロッカー
- 3 免疫調整剤
インターフェロン
- 重篤な病気は精神的ストレスとのダブルパンチ
「がん」などの重篤な病気を宣告された人で、自殺する人がいます。生命にかかわる重い病気になったとう精神的ストレスだけでも、「うつ病」になりえますが、それに加えて、病気によっては、病気そのものがホルモンなどに影響して「うつ病」になったり、服用する薬から「うつ病」を併発することがあるわけですから、病気になったら精神面での注意と治療に用いられる薬の影響も考慮しておいて、家族の様子を注意深く見守っていく必要があります。あなた自身が、そのような病気になった場合も、この点を心得ておいて、気分が異常に重苦しくなってきたら、医者に「うつ」のことを申し出る必要があるでしょう。
いや、実際には、そのような状態になってしまってからは、このことさえも思いださないかもしれませんから、このことは、家族の人にも見せておいて、家族全員が心得ておくべきだと思います。他の人が知っていれば、自分の様子のおかしいことを気がついて医者に相談してくれることが期待できますから。
(注)- (1)「脳と薬物」東京化学同人、108頁。「セロトニン欠乏脳」有田秀穂著、NHK出版、116頁。
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