自殺しない、させない
う つ 病 の 症 状
自 殺 し な い
身近な人を自殺させないために
う つ 病 の 症 状
「うつ病」の主な症状は「抑うつ(よくうつ)」である。ただ、「仮面うつ病」といって、抑うつの症状を訴えないで、身体症状が前面にでていて、内科の病気とまぎらわしいものがある。通常のうつ病の症状は、精神症状と身体症状が伴う。
精 神 症 状
うつ病には精神症状と身体症状を伴うことが多い。精神症状の中でも、特に、「抑うつ」という感情障害が基本症状である。「抑うつ」症状は、強度の気持ちの沈み、ゆううつ感がである。
「感情は悲哀的になりやすく、ささいなことも悲観的になる。嬉しいことにも反応しない。表情はさも悲しげで、ため息をついたり、涙を浮かべたりすることが多い。疲労感が強く、無気力で、おっくうである。歩行も前かがみに力なく歩く、胸が重苦しく、せつない気分である。」(C24)
うつ病には、思考の障害もある
「頭がさえない、頭がボーッとする、考えがまとまらない、などと表現するように、観念が頭に浮かばず、自信がなく決断力が非常に鈍る。」(A73)
「記憶、判断、計算などの活動も低下する。周囲の者はみな自分よりすぐれていると考え、強い劣等感を抱くようになる。自分の将来、体力、能力など、すべてに自信はなく、悲観的に考える。」(C25)
さらに発展すると次のような妄想が生じる。(C25)
- 心気妄想(自分が不治の病気になっていると誤解し、信じる。)
- 貧困妄想(そんな事実はないのに、貧乏になったと信じる。)
- 関係妄想(他人にうわさされている、ジロジロ見られているという誤った信念)
- 被害妄想(人にいじめられる、殺されるという誤った信念)
身 体 症 状
身体症状としては、自律神経系の障害により、様々な症状があらわれる。最も多いのは睡眠障害で、寝付きが悪い、朝早くめがさめる、眠りが浅い、など。
次いで、食欲低下、性欲の低下という生命活動に関する欲望が低下する。身体がだるい、下痢、便秘、胃腸系の障害もある。腹痛、頭痛、筋肉痛、四肢痛などの痛みもあり、うつ病と知らないで、その方面の医者にかかることも多い。
その他、肩こり、しびれ、めまい、動悸、発汗、口のかわき、胸やけ、息苦しさ、胸の圧迫感、熱感、目のつかれ、食べ物の味がしない、頻尿など多彩な症状がある。(A74)(C27)
そして、これらの症状は、一日のうちで変動があり、特に朝から午前中に調子の悪い人が多い。
「うつ病の身体症状についてよく知らない身体科の医師には、うつ病患者の心気妄想による身体症状の訴えに翻弄される人がいて、そのために患者が一層不安を増強させていることがある。」(A74)
毎日大勢の患者を診察する内科医は、患者の話をゆっくり聞いている時間がないので、患者が訴える身体症状のみで判断して、「うつ病」を見落としてしまう恐れがある。従って、身体症状がなかなか改善しない場合(高齢者の場合も)、うつ病に詳しい医者にみてもらうことが大切である。
態 度 ・ 行 動
うつ病になっている人は、精神症状のために、一般には、外出したくない、人に会いたくない、楽しめていたことが楽しめず好きな事をしない、ボーッと閉じこもって何もしない、出社しない、登校しない、非行に走る、人づきあいが悪くなるなどの行動の変化が見られる。まじめでがんばりやの生徒の成績が急に下がる、まじめでよく働いていた人の仕事の能率がおちてくる。
行動の最大の異常は、自殺行動である。この病気がひどくなると極度のゆううつ感、絶望感により自殺する人がある。これが、この病気のこわいところである。毎年、多くの人が自殺するが、健康問題、経済問題、いじめ、などから苦悩しているうちに、「うつ病」になって、その治療を受けないでいると、自殺することがある。