パニック障害
パニック障害も、つらい病気である。薬物療法で治りにくく、長引いて、悩むことが多いので、「うつ病」を併発しやすい。
突然、胸の苦しさ、動悸、息切れまたは息苦しさ、めまい、はきけなどの症状が起こる。発作は15〜20分ほどで治まる。内科的な検査を行っても、はっきりとした異常は認められない。初回の発作が電車の中で起こった場合、その後、同様の状況になると、また発作が起こる。「また起こるのではないか」という予期不安に見舞われる。それが高じて、外出や乗り物に乗れなくなる人もいる。回避する場所が増えていき、職業や文化的生活などに支障をきたす。現状では、この病気であると診断されるまでに長期間かかり、診断がついても、治りにくい障害である。
パニック発作
次の症状のうち4つ以上が突然に発現し、10分以内にその頂点に達する。13の症状のうち4つ以上が認められると「パニック発作」である。
- (1)動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
- (2)発汗
- (3)身震いまたは震え
- (4)息切れ感または息苦しさ
- (5)窒息感
- (6)胸痛または胸不快感
- (7)嘔気または腹部の不快感
- (8)めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- (9)現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分自身から離れている)
- (10)コントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖
- (11)死ぬことに対する恐怖
- (12)異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
- (13)冷感または熱感(紅潮)
パニック障害の診断基準
次の状況に該当すれば「パニック障害」と診断される(1)。
- A.(1)と(2)の両方を満たす。
(1)予期しないパニック発作が繰り返し起こる。
(2)少なくとも1回の発作の後1カ月間(またはそれ以上)、以下のうち1つ(またはそれ以上)が続いていたこと。
(a)もっと発作が起こるのではないかという心配の継続。
(b)発作またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起す、”気違いになる”)についての心配。
(c)発作と関連した行動の大きな変化。
B.広場恐怖が存在しない(広場恐怖をともなわないパニック障害)、あるいは広場恐怖が存在している(広場恐怖をともなうパニック障害)。
C.パニック発作は、物質(例:乱用薬物、治療薬)または身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)の直接的な生理学的作用によるものではない。
D.パニック発作は、他の精神疾患ではうまく説明されない。
予期不安と広場恐怖
初回の発作が電車の中で起こった場合、その後、同様の状況になると、また発作が起こることがある。また発作が起きるのではないかといつも心配する「予期不安」と、それが高じて、過去に起きた状況とはちがう場面をもおそれるようになり、乗物に乗ったり外出したりできなくなる「広場恐怖」が伴うことが多い。
人ごみ、電車・バス、大きなショッピングセンター、歯医者などを避けるようになる(1)。その結果、重要な活動の不参加が起こる。学校に行けない、職場に通勤できない、家族と一緒に旅行ができない、外出できないなど、行動が大きく制限される。
自己洞察瞑想法を用いた心理療法
パニック障害は、正確な診断までに長期を経過することが多く、治療開始後も心理療法が行われないと、遷延化、再発のくり返しがおきやすいといわれている。
日常生活が不本意、夢や願いを実現できなくて、苦悩し、「うつ病」を併発することもある。ひどいと、自殺に至る。
パニック障害は、認知行動療法が有効である。私どもの療法には、アクセプタンス、マインドフルネスの意味のある治療技法が含まれていて、薬物療法や他の認知行動療法でも治癒しなかったパニック障害が改善される例がある。